イオン銀行の展開する「しっかり運用セットNEO」なる定期預金についての当サイト管理人の見解

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「しっかり運用セットNEO」のような商品をどう考えているか?


このページは、貯金を貯めたい人のための質問と回答のコーナーです。定期預金や投資が大好きな管理人が、皆様のお悩みを無料でご回答差し上げます




頂いたご質問(2019年4月、Kさま、40代・男性)

※2024年現在、このセット商品は取り扱い終了となっています。


こんにちは。40代の公務員です。定期預金の利用方などを参考にさせていただいております。今までは職場の預金制度を利用して貯めこんできましたが、預金限度額(1300万)を出た分をどのように増やそう(減らさないようにしよう)か思案しております。

現在預金は2000万円を超えるぐらいです。今までは何も考えずにゆうちょの定額貯金に入れていましたが、利率があまりにも低く悲しいので一昨年の暮れぐらいから様々な銀行に口座を開いて預けております。

さて、口座を利用しているイオン銀行の商品で「しっかり運用セットNEO」をサイト主様はどのようの思われるでしょうか。定期預金と投資信託を合わせた商品で預金保険機構の対象ではないです。

このような安全なものとリスクの高いものを混ぜあわせた商品はどのように評価されますか?

私はいくら利率が高くても今のところ利用するつもりはありません。サイト主様がいわれている「よくわからないものに投資しない」を信条としたいからです。




先日も、職場で生保(ジブラルタ生命)のセールスの方からドル建て保険を熱心に勧められていたのですが、流動性が低いことと、為替のリスクがあること、そして「よくわからないものに投資しない」宣言をして、丁重にお断りしました。

今後も定期預金を利用して安全確実に増やしていきたいです。また、イデコやNISAにも興味がありこれから勉強しようと思うので関連情報があれば掲載をよろしくお願いします。



回答:高い金利で人を欺くような商品であり、利用するに値しない

しっかり運用セットNEOについての評価


K様、当サイトへのご質問ありがとうございます。今回お便りを拝読して、K様自身が分からないものに投資をしない方針を貫いており、今後も安心して見ていられるなというのが第一印象です。

定期預金以外で運用を初めて開始する人は、どうやって良いのかご自身で勉強せずに、安易に銀行などで質問をするから、金融機関のカモになりやすい状況があります。K様のように、きちんと「断る能力」がある人ならば、まず大丈夫なような気がします。

イオン銀行のしっかり運用セットNEOは、おっしゃる通りに利用価値の無い典型的な商品です。
https://www.aeonbank.co.jp/investment/shikkarineo/


なぜ利用価値が無いのかは、当サイトでも別ページで解説していますので、まずは定期預金と投資信託のセット販売は合法的詐欺のページを読んで頂ければと思います。しっかり運用セットNEOも、全く同様の商品となっています。




仮に、利回りの高い「セット70」を利用したとします。預け入れ期間は3年です。比較として、SBJ銀行の定期預金を使った場合の利息の受け取り結果を見てみましょう。カッコ内の数字は、税引き後の利息です。

預入金額  イオン銀行 しっかり運用セットNEO
(セット70)
SBJ銀行
店頭金利0.02% 当初3か月の金利:7%
4か月以降の金利:0.02%
金利0.3%
300万円 540円
(430円)
16245円
(12945円)
27000円
(21514円)
700万円 1260円
(1004円)
37905円
(30205円)
63000円
(50201円)
1000万円 1800円
(1434円)
54150円
(43149円)
90000円
(71716円)


しっかり運用セットNEOでも瞬間風速的な金利で利息が多いようですが、このような妙な商品を使わなくても、SBJ銀行のシンプルな定期預金を使ったほうが利息が高くなります。

また、しっかり運用セットNEOの場合、投資信託の購入部分に関して、購入時に手数料3%と、毎年1%近い信託報酬がコストとして計上されます。仮に、高コストの投資信託を3年保有した場合、コストは以下のような金額なります。

購入金額  購入手数料:3% 信託報酬:1% コスト合計
300万円 63000円
(50202円)
63000円
(21515円)
126000円
(71717円)
700万円 147000円
(117137円)
147000円
(50202円)
294000円
(167339円)
1000万円 210000円
(167339円)
210000円
(71717円)
420000円
(239055円)


表を見比べて驚くのは、投資信託を保有する事で支払うコストがあまりにも大きすぎて(一桁違っています)、しっかり運用セットNEOなどを利用すると、収支は完全にマイナスになります。

以下、シンプルに銀行預金だけを利用する場合と、しっかり運用セットNEOを利用した場合の比較結果のまとめとなります。金利で人を釣っておいて、この結果は酷すぎではないでしょうか。

預入金額  イオン銀行 しっかり運用セットNEO
(セット70)
SBJ銀行
店頭金利0.02% 当初3か月の金利:7%
4か月以降の金利:0.02%
金利0.3%
300万円 540円
(430円)
-109755円
(-58771円)
27000円
(21514円)
700万円 1260円
(1004円)
-256095円
(-137133円)
63000円
(50201円)
1000万円 1800円
(1434円)
-365850円
(-195905円)
90000円
(71716円)


しかも、投資の場合は貯金と違って、きちんと勉強をして、腹落ちするまで理解を深めないと、長期での資産形成などほとんど不可能に近いと言えます。投資信託の損失を計上する可能性もある訳ですから、その場合は更にマイナスが大きくなる恐れも大です。

実際に、しっかり運用セットNEOの「対象ファンド」をチェックしてみると、ほとんど全て、高コストのボッタクリ投資信託と言わざるを得ないものばかりです。次の項で言及するようなインデックス投資で使えるような良心的なファンドは一切ありません。

しっかり運用セットNEOの対象の投資信託


こういった観点からもしっかり運用セットNEOには利用価値は皆無であり、人生において、全くもって不要な商品だと断定して良いでしょう。



イデコ、NISAを利用した積み立て投資はおススメ


安全に資産を増やすためには、やはり金利の高い銀行の定期預金で堅実に増やすのが今のところベストな選択だと思います。当サイトトップページの高金利銀行を参考に、口座開設先を選べば良いと思います。

積み立て投資は「インデックス投資」と呼ばれるやり方と非常に相性が良く、しかもインデックス投資は公務員や会社にお勤めの人が無理なく出来る投資の最適解でもあります。一般の株式投資などに比べて心理的な負担もはるかに少ないですから、学ばれる価値はあると思います。

いずれにしろ、「よくわからないものに投資しない」事を信条とするのは非常に大切です。特に、定期預金から資産運用の世界に足を踏み入れる初心者の多くは、金融機関の口車に乗って、ホイホイと怪しい商品に手を出しがちですので、大いに注意する必要があります。