明治安田生命の大人気商品「じぶんの積立」をレビュー

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明治安田の「じぶんの積立」は確かに良い商品だが、リスクとデメリットにも目を向けよう


じぶんの積立が非常に売れているポイント

全国的に定期預金金利が低下する中でも、できるだけ安全・確実に貯蓄したい。そのように考える人が増えており、その要望に応える形で明治安田生命が販売したのが「じぶんの積立」です。販売以来、生保としては珍しいヒット商品となっています。

明治安田生命のじぶんの積立


「じぶんの積立」最大の特徴は、貯金の変わりに活用できるという点です。積み立てを開始した直後から100%以上の払戻率で「絶対」に損せず、それでいて10年保有で「確実」に資産が103%に増えるのですから、普通の人は猛烈に魅力を感じると思います。

じぶんの積立の受け取り率と返戻金


月5,000円からの積立のため、家計への負担も少ないです。ターゲット層がとても広くて、人気商品になっています。保険料の払い込みが終わる5年目以降から利息が入ってきて、資産が増え始めます。

しかもこれらの点に加えて、死亡時には給付金が支給されますから、(障害などには保険金は支払われません)、非常にお得感が強いと思います。これって「今ならおまけでこれも付けます」と同様の心理的効果が有ります。

じぶんの積立の死亡時の保険金


ここまで見ると、明治安田のじぶんの積立には、何ら問題点が無いように感じられます。というか、顕著な問題点はありません。お金に厳しい当サイト管理人も、久しぶりに良い商品を見たなという気分になりました

ではこの商品、死角は無いのでしょうか? 明治安田生命のじぶんの積立のリスク、そしてデメリットについて、チェックしておくべきだと思います。「なぜこんな良い商品が出てきたのか?」という部分が何よりも本質になりますので、しっかりとチェックしてください。

明治安田生命「じぶんの積立」のデメリット

さて、じぶんの積立のデメリットを見てみましょうか。良い商品だとは思いますが、デメリットはあるのです。次の3つの項目について見てまいります。


「高金利の定期預金」の方が貯蓄額が増える場合がある


まず第一に、10年で103%増えると言っても、この3%が本当に得なのか少し判断に困ります。もっと高金利の定期預金を使ったほうが、お金が増えるのではと考えたからです。

例えば2018年8月時点で、全国的に利用できる銀行の中では最も高金利のSBJ銀行と比べてみましょう。今なら預け入れ金額に関係なく、5年物の定期預金が0.3%となります。5年後に満期が来て、再度0.3%で定期預金に継続で預け入れが出来るという条件で計算してみた結果が、次の表です。

金利のパワーを認識していただくために、SBJ銀行のほかにもう1行、三菱UFJ銀行も試算に入れて、計算結果を表示してみます。


●受け取れる「利息」の金額(税引き前の金額)
預入金額 じぶんの積立 SBJ銀行 三菱UFJ銀行
5年後 0円 9,163円 280円
10年後 3万6,000円 2万7,381円 880円


10年後の利息(利益)は、じぶんの積立の方が良い結果となりました。もしも明治安田生命の営業担当者から、「銀行に定期預金するよりもはるかにお得です」などと説明を受けたならば、それは正しいという事が証明されました。

ただ、SBJ銀行は、ときおり高金利キャンペーンが開催されます。過去には、5年もの定期預金0.45%の時期もありました。試しに、SBJ銀行の金利を0.45%にして、計算しなおした結果がこちらです。


●受け取れる「利息」の金額(税引き前の金額)
預入金額 じぶんの積立 SBJ銀行 三菱UFJ銀行
5年後 0円 1万3,761円 280円
10年後 3万6,000円 4万1,254円 880円


今のところ、定期預金の金利が0.3%程度であれば、じぶんのほうが積立が魅力的です。しかし、金利が0.45%を超えるような定期預金を見つけた場合は、定期預金に軍配が上がるという事になります。

ここ数か月、日本の長期金利が少し上昇を始めており、今後は定期預金金利が上がり始めるかもしれません。そのような状況になった時には、じぶんの積立の優位性が薄れるかもしれませんね。

定期預金の金利動向に関しては、当サイトTOPページや、地方銀行も含めた高金利定期預金ランキングのページを参考にして下さい。

ただ、SBJ銀行に手動で、毎月のように積み立てで定期預金をしていくのはけっこう面倒くさいとも言えますから、その手間を考えると、じぶんの積立を利用するのも悪くありません。



積立金額の上限は2万円なので、ガッツリ貯蓄したい人には不向き


明治安田生命のじぶんの積立の上限金額は、2万円になります。5年間で120万円になり、これが多いのか少ないのかは判断の分かれるところです。お金の余裕がある人にとっては物足りないですし、収入の低い家庭にとっては、魅力的に見えるかもしれません。



若い人に死亡保障などメリット無し、むしろ高齢者にふさわしい


じぶんの積立の死亡給付金明治安田生命のじぶんの積立を利用した場合、もしも不慮の事故で死んでしまった場合は、支払いが終わった保険料の1.1倍のお金を死亡保険金として受け取ることが出来ます。

最低積立金額が5000円からですから、5年間で30万円を貯蓄できます。この1.1倍ですから、33万円貰えるわけですね。

で、こんな「はした金」に目を奪われて良いのか、という事です。もしもあなたが40代より前の年齢層ならば、病死も含めて死んでしまう確率は考えなくても良いくらい、低いです。

つまり、ほとんど死にません。死にもしないのに死亡保障の付いた商品など、選ぶ必要は無いのです。

という事は逆に、50代以降の人にとっては、意外とメリットがあると言えますね。年齢制限の65歳に近い人になればなるほど、保険金の受け取りのチャンスが広がります。ただし、死んだあなたは受け取る事は出来ませんが。



解約した場合も、定期預金よりも不利になります


じぶんの積立の貯蓄性に十分な魅力が有る事は、認めます。ところが、払い込みが完了する5年後まで、絶対に解約しない事が分かっている人だけが、メリットを受け取れることを再認識しましょう。

例えば月に1万円の積立をして4年後に、48万円を払い込んだ時点で解約したとします。この場合は、100%の返戻金(へんれいきん)なので、48万円が自分の口座に戻ってきます。損しないから良かったと思うかもしれませんが、もしも定期預金の積立ならば、普通預金レベルですが金利が支払われた上で戻ってきます。定期預金の方が、堅実な貯蓄法と言えます。

明治安田生命のじぶんの積立のリスクについて

上述したのは、じぶんの積立の「デメリット」です。本項では、「リスク」について言及します。こちらもよくご覧いただくと良いでしょう。大きく3つのリスクに言及してみました。最後の1点はリスクというよりは「懸念」ですね・笑。でもそこが一番の本質。



実は本当の意味で元本保証ではない、明治安田生命が破たんしたら元本割れする


じぶんの積立は元本保証だと思っているでしょうが、それは誤りです。もしも明治安田生命が経営破綻したら、全ての生命保険の保険金が減額されます。元本割れして戻される可能性が非常に高くなり、この点は1000万円までの元本と利息が保証される定期預金よりも、安全性が劣ります。

明治安田生命が経営破綻した際の保険のリスク


しかもよく見ると、「保険会社の財務状況が厳しくなったら約束した保険金が削減される」等と書いてありますから、明らかに無リスクの元本保証とは言い難いですね。



解約しても直ちに現金を受け取れない「流動性リスク」に似た現象が起こる


明治安田生命のじぶんの積立には、資産運用の世界でいうところの「流動性のリスク」に近いものがあります。流動性リスクとは、「換金しにくいリスク」のことを言います。

いくら103%に増えると言っても、直ちに現金化しなくてはならない緊急事態が発生した場合、定期預金ならば瞬時の手続くで解約できるのに対して、じぶんの積立は恐らく、明治安田生命の担当者に連絡をするか、カウンターで依頼することになると思います。

となると瞬時にお金を手元に戻せない訳で、解約の申し込みから返戻金が払い込まれるまでの一定の期間は、待たなければなりません。解約が定期預金のように簡単ではないというリスクがある事は、頭の片隅に入れておきましょう。



明治安田生命の「ボッタクリ生命保険」の入口にされる恐れが大


今回、明治安田生命のじぶんの積立に関しては、比較的高い評価を下しているのでありますが、しかし安心はしないようにして下さい。というのも、この保険の契約をするには、「面談」をする必要があるという事です。

明治安田生命のじぶんの積立の契約までの流れ


面談=生命保険のセールス担当と直接やり取りをする、という意味ですから、あの百戦錬磨の人達に個人情報を渡すことになるのです。

つまりじぶんの積立という親切な保険の本質というのは、明治安田生命からすると、「じぶんの積立など儲からない商品だけど、もっとガッポリと儲けられる商品の入口になってくれれば全然オッケー!」という事なのです。(これ、学資保険と全く同じ構図です)

じぶんの積立を利用するのは良いですが、間違っても彼らの余計な口車に乗って、全く必要でもないような生命保険や個人年金保険などなどに手を出さないようにしましょう。保険というのは人の不安にかこつけたボッタクリ金融商品の代表ですからね。

もしも明治安田生命の営業担当者から色々とヘンテコな商品を推奨されて、ご自身でその商品の良し悪しが判断できない場合は、管理人までQ&Aコーナー経由でご質問ください。

なお、明治安田生命の個人型iDeCo(確定拠出年金)についてはこちらのページにて評価を下していますので、興味のある方はあわせてご覧ください。


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