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ご質問:学資保険を希望するのに米ドル建て終身保険を平然と勧めてくる保険屋について
このページは、貯金を貯めたい人のための質問と回答のコーナーです。定期預金や投資が大好きな管理人が、皆様のお悩みを無料でご回答差し上げます。
頂いたご質問(2017年10月、一姫二子さま、20代・女性)
学資保険について教えてください。来月第一子を出産予定です。将来の教育資金を必要最低限の保険料で(将来払い込めなくなっては困るため)少しでも多く貯めておくために学資保険に加入しようと思い、近くの保険の相談窓口に相談に行ったところ、円商品ではなくドル商品を勧められました。
事前に調べた中でソニー生命の学資保険の評価が高かったので、ほぼソニー生命の学資保険に加入することを前提に話を聞きに行ったので正直驚きました。
ソニー生命の学資保険の場合、受取時期は早くても18歳ですが、今の時代高校進学時(15歳)から教育費が多くかかってくるため時代に合っていないし、積立利率も年約0.7%で低すぎるため加入するメリットが少ないと説明を受けました。
勧められた商品はメットライフ生命の「ドルスマート積立利率変動終身保険(米国通貨建2002)<低解約返戻金特則付>」です。死亡保障のついた終身保険ですが、「今は教育や老後の資金も兼ねて貯めていく」方が良いとのことでした。ドル商品の良い点等について以下のような説明を受けました。
加入年齢)30歳男性
払込期間)10年
保険期間)終身
保険金)50000米ドル
月払保険料)162.35米ドル (日本円で18000円くらい)
①10年設定にするのは、子どもが成長するにつれて養育費がかかってくるので、比較的かかりにくい幼いうちに払込を済ませておかないと、将来払うのが厳しくなる。
②積立利率は最低でも年3.0%を保障してくれ、0.7%である円商品を上回っているのでこの時点でドル商品に入った方が良い。
③高校入学時(15歳)、大学入学時(18歳)など、必要な時に一部解約することができる。
④一部解約する場合、その時点でドルを円に換算する・解約しても損しないか等の計算は保険会社に聞けば全て教えてくれるため自分で調べる必要がない。
円商品よりも利率が良く返戻率も高くなりお得な商品であるのは分かるのですが、ドルの変動によって左右されてくるので、説明の通りに信用して良いものなのか分かりません。
ドル変動については、米ドルは落差があまり大きくなく、今までの統計を見ても1ドル平均約107円のためあまり心配することはない、ということでした。
毎月の保険料も円換算した場合確定しているわけではないので、家計の固定支出を考えるうえでもはっきりしなくてどうなのかと思ってしまいます。
教育資金の貯蓄目的で、本当にソニー生命の学資保険等円商品に加入するよりもメットライフ生命のドルスマートに加入する方が良いのでしょうか? また、教育資金は何を利用して(保険・定期など)貯めるのが一番良いのでしょうか?
事前に調べた中でソニー生命の学資保険の評価が高かったので、ほぼソニー生命の学資保険に加入することを前提に話を聞きに行ったので正直驚きました。
ソニー生命の学資保険の場合、受取時期は早くても18歳ですが、今の時代高校進学時(15歳)から教育費が多くかかってくるため時代に合っていないし、積立利率も年約0.7%で低すぎるため加入するメリットが少ないと説明を受けました。
勧められた商品はメットライフ生命の「ドルスマート積立利率変動終身保険(米国通貨建2002)<低解約返戻金特則付>」です。死亡保障のついた終身保険ですが、「今は教育や老後の資金も兼ねて貯めていく」方が良いとのことでした。ドル商品の良い点等について以下のような説明を受けました。
加入年齢)30歳男性
払込期間)10年
保険期間)終身
保険金)50000米ドル
月払保険料)162.35米ドル (日本円で18000円くらい)
①10年設定にするのは、子どもが成長するにつれて養育費がかかってくるので、比較的かかりにくい幼いうちに払込を済ませておかないと、将来払うのが厳しくなる。
②積立利率は最低でも年3.0%を保障してくれ、0.7%である円商品を上回っているのでこの時点でドル商品に入った方が良い。
③高校入学時(15歳)、大学入学時(18歳)など、必要な時に一部解約することができる。
④一部解約する場合、その時点でドルを円に換算する・解約しても損しないか等の計算は保険会社に聞けば全て教えてくれるため自分で調べる必要がない。
円商品よりも利率が良く返戻率も高くなりお得な商品であるのは分かるのですが、ドルの変動によって左右されてくるので、説明の通りに信用して良いものなのか分かりません。
ドル変動については、米ドルは落差があまり大きくなく、今までの統計を見ても1ドル平均約107円のためあまり心配することはない、ということでした。
毎月の保険料も円換算した場合確定しているわけではないので、家計の固定支出を考えるうえでもはっきりしなくてどうなのかと思ってしまいます。
教育資金の貯蓄目的で、本当にソニー生命の学資保険等円商品に加入するよりもメットライフ生命のドルスマートに加入する方が良いのでしょうか? また、教育資金は何を利用して(保険・定期など)貯めるのが一番良いのでしょうか?
ご回答:軽自動車を買いに行ってアメ車を買って帰るようなもので、あり得ない話しです
一姫二子さま、この度はご質問ありがとうございます。ご質問を拝読して、久しぶりに「酷いなこれ」と強く感じました。今回の外貨建て保険は、2016年に金融庁が異例の通知を出した3つの金融商品のうちの1つで、まずは以下リンク先をご覧いただいた上で、当方のご回答をご覧ください。
⇒参考リンク:金融庁ダメ出し商品「外貨建て保険」の営業撃退トークを考える
結論から申し上げると、迷わずソニー生命の学資保険をおススメします。失敗が許されない教育資金をリスクのあるドル商品で運用するなんて、ありえません。
ソニー生命の学資保険の場合、受取時期は早くても18歳ですが、今の時代高校進学時(15歳)から教育費が多くかかってくるため時代に合っていないし、積立利率も年約0.7%で低すぎるため加入するメリットが少ない
・・・相談窓口のこの回答を見た瞬間に、キチンと調べずに適当な事を言っているなと管理人は思いました。なぜなら、ソニー生命の学資保険は中学、高校進学時に進学学資金を受け取るタイプもあるからです。もちろん、満期時にも満期額資金を受け取れます。
下記の左はI型とよばれるタイプで、進学学資金を2回、事前に受け取るタイプです。下記の右側のⅢ型のように、18歳から毎年受け取るタイプもあって、かなり自由度は高いです。相談窓口は、実に適当な事を言っており、聞いている私も怒りが湧いてきます。
これも適当な事を・・・。「10年設定にするのは、子どもが成長するにつれて養育費がかかってくるので、比較的かかりにくい幼いうちに払込を済ませておかないと、将来払うのが厳しくなる。」
との説明は、ソニー生命の学資保険をロクに調べていないか、あるいはわざと知らないふりをしている人の発言ですね。ソニー学資保険の、進学前に保険料を払い込み完了する短期払のプランは、パンフレットに、デカデカと記載されています。完全に信用ならぬ相談窓口です。
事実と異なることを平然と言ってくる相談窓口の説明を受けただけで、メットライフ生命のドル建て変動終身保険など検討すらする必要は無しといえますが、いちおう、次の通り、中身をチェックしてみたいと思います。
メットライフ生命の「積立利率変動終身保険(米国通貨建2002)<低解約返戻金特則付>」は、通称ドルスマート(http://www.metlife.co.jp/lf1/bhp400/index.html)と呼ばれるドル建て商品です。
この商品のチェックに移る前に一言。窓口の「今は教育や老後の資金も兼ねて貯めていく方が良い」との発言には、驚きを隠せません。
近い将来必要になる教育資金と、遠い将来の老後の資金をまとめ貯めるのは、目的が違いすぎて、まったくおススメできません。相当に、いい加減なアドバイスだと言わざるを得ません。
老後の資産形成は、保険でやってはいけません。例えば個人型確定拠出年金(iDeCo)のような仕組みを使うのが基本であり、コストの塊の保険を老後まで抱え込まされるなんて、・・・金融庁がこのアドバイスを聞いたら、激怒すると思いますよ。
メットライフ生命のドルスマートの最大の問題は、換金時の為替リスクです。メットライフ生命は顧客が負うリスクを実に軽視している証拠だと思うのですが、パンフレットに、とても小さな字で下記のようなことが書かれています。
ふざけるな!メットライフ生命、小さすぎて、全く読めないよ! 要約すると、次のようなことがかかれています。
・保険金の受け取りはすべてUSドル建て ⇒ つまり積立利率年3%保証はドルベース
・受け取ったドルの保険金を日本円に交換する際に為替状況にはよっては損する
これを読んで、私は心底呆れました。保険の相談窓口は「積立利率は最低でも3.0%を保障してくれ、0.7%である円商品を上回っているのでこの時点でドル商品に入った方が良い」との説明ですよね。
これ、為替リスクが皆無で0.7%の元本確保型商品と、為替リスクをまともに負う3%の商品を比べるのに、あまりにも適当すぎます。というか、為替リスクのある商品に、いかにも元本保証であるかのような説明をするのは、極めて不適切です。
仮に年率3%で運用されても、為替で損すれば満足できる教育資金を十分に用意できません。下記のシミュレーションをご覧ください。30歳で契約して、仮に20年後にドル資産が約16%増えたとしても、その時点で為替が▲16%だったとしたら、損する可能性がありますよね。
(10年で解約しても7%の元本割れが発生するのは、不利な商品のような気がします。ここで上記と同様に為替でマイナス16%も損していたら、目も当てられない事になります)
「ドル変動については、米ドルは落差があまり大きくなく、今までの統計を見ても1ドル平均約107円のためあまり心配することはない」のコメントも、「何言ってんだ?」です。
下記はドル円の過去10年のチャートですが、今から5年前の2012年には1ドル80円以下にまで落ち込んでいます。相場には、「まさか」と思われる事態が、数年単位で簡単に訪れます。このような20%~30%も価格変動するドル円で、107円などと平均を出しても、何の意味もないのです。
常に、状況が悪い方向に進む事は想定しておくべきで、仮に今、1ドル110円で契約して、将来80円の時に円に交換したら、▲27%です。先ほどのように運用で+16%増えても、トータルでは教育資金が▲11%になって手元に戻ってきます。
決して減らす事が許されない教育資金を、大幅に目減りをする可能性ある金融商品で運用しようなどと考えては、いけません。「朝鮮戦争でも起きたら、どうするつもりなんですか?」と質問したら、ハッとして我に返るかもしれませんね。
参考までに、投資に詳しい管理人から補足説明しますと、今の時点で為替が円安に振れるか円高に振れるか、確率は五分五分です。プロでも予測は当たりません。
となると、将来の教育資金を積み立てて、それが「利益」になって帰ってくるのか、「損失」に泣くことになるのかは、50%ずつの確率でしかないという事です。
お子様の教育資金のように、絶対に元本割れさせてはならないものに対して、そのような「ギャンブル」をやっても良いというのならば、ドルスマートを買えば良いでしょうし、「こんなものは問題外」だと感じたら、即刻話を取りやめましょう。
・・・あ、いや、それでもドルスマートはダメだな。こんなものが老後まで継続するなんて、あまりにも不利過ぎます。(どういう点で不利過ぎるのかは、ここでは省略します)
本当ならば、これを最初に説明すればよかったのですね。実は、日本で大量に販売される保険のたぐいの、ほとんどが無意味に近いレベルのボッタクリ商品です。だからこそ、金融庁などは激怒している訳です。
数あるボッタクリ商品の中で、そうではないものもいくつかあり、その代表が学資保険です。別ページで解説した明治安田生命の「じぶんの積立」なども、良質な商品です。
ではなぜ、そのような良質な商品を紹介しないで、今回のドルスマートのような変な商品を強引に勧めてくるのでしょうか? 答えは、その方が非常に儲かるからです。そのような保険商品を売りつけると、10%を超える高額な手数料が転がり込んでくるためです。
学資保険のようなものは全く儲かりませんが、実はこのような商品はマーケティング的に、「フロントエンドの商品」と呼ばれます。要は、誰でも知っていて買いに来たくなるような商品の事で、いわば「客寄せパンダ」です。
それでおびき寄せられて来店しに来たお客に、「こちらのほうがもっとメリットがある」と屁理屈をこねて、高額な商品を売りつける算段なのです。
学資保険に入りたいという人の大半が、金融知識が皆無に近い「フィナンシャルリテラシーの無い人たち」です。その人たち全員にメットライフ生命のドルスマートを推奨したら、比較的容易に、それに切り替えて購入をするはずです。
商売的には美味しすぎますので、ドルスマートも含めて、多数の「バックエンド商品」を用意して、本当に儲かる商品を相当程度、売りつけていると思います。もしも今回の説明に納得できなかったとして、それでも強引に売りつけるならば、一言申し上げると良いでしょう。
「ソニー生命の学資保険の代わりにメットライフ生命のドルスマートというドル建て終身保険を強く推奨されたのが問題ないかどうか、金融庁に質問を送ってみるつもりだ」と。おそらく、一発で相手は沈黙するはずです・笑。
では、教育資金は何を利用して貯めるのが一番良いのかと問われたら、今のところ学資保険がベストでしょう。過去に似たような問い合わせがありましたので、下記もぜひ熟読ください。
⇒参考:定期預金か学資保険どちらが良いのか?
たとえば、比較を簡単にするためソニー生命の学資保険Ⅱ型で検証してみます。
・契約者の年齢30歳
・月の保険料 4,330円
・期間18年間
・100万円受け取り
これを定期預金で実現しようとすると、以下のようになります。
要は、定期預金の積み立てで18年間運用して100万円を受け取りたければ、金利1%の超高金利定期預金が必要だという事です。今の時点で、金利1%の定期預金など存在しません。
ということを考えれば、安全資産で教育資金を貯めるのは、学資保険がベストの選択となる訳です。こんな有利な商品は、保険会社から見たら「苦しい」の一言ですから、こんなものは売っても儲からないわけですね。
金融商品を買う時、(保険でも投資信託でもあらゆるものに共通しています)、金融機関が売ろうとしているものはほぼ全て、彼らが十分に儲かるものばかりです。彼らが売りたがらないものこそが「良い商品」ですから、今後はそうした視点も持つようにして下さい。
⇒参考リンク:金融庁ダメ出し商品「外貨建て保険」の営業撃退トークを考える
結論から申し上げると、迷わずソニー生命の学資保険をおススメします。失敗が許されない教育資金をリスクのあるドル商品で運用するなんて、ありえません。
まず、ソニー生命の学資保険について、虚偽の説明が多すぎる
ソニー生命の学資保険も、途中で受け取りが可能です
ソニー生命の学資保険の場合、受取時期は早くても18歳ですが、今の時代高校進学時(15歳)から教育費が多くかかってくるため時代に合っていないし、積立利率も年約0.7%で低すぎるため加入するメリットが少ない
・・・相談窓口のこの回答を見た瞬間に、キチンと調べずに適当な事を言っているなと管理人は思いました。なぜなら、ソニー生命の学資保険は中学、高校進学時に進学学資金を受け取るタイプもあるからです。もちろん、満期時にも満期額資金を受け取れます。
下記の左はI型とよばれるタイプで、進学学資金を2回、事前に受け取るタイプです。下記の右側のⅢ型のように、18歳から毎年受け取るタイプもあって、かなり自由度は高いです。相談窓口は、実に適当な事を言っており、聞いている私も怒りが湧いてきます。
ソニー生命の学資保険も、進学前に払い込みできる
これも適当な事を・・・。「10年設定にするのは、子どもが成長するにつれて養育費がかかってくるので、比較的かかりにくい幼いうちに払込を済ませておかないと、将来払うのが厳しくなる。」
との説明は、ソニー生命の学資保険をロクに調べていないか、あるいはわざと知らないふりをしている人の発言ですね。ソニー学資保険の、進学前に保険料を払い込み完了する短期払のプランは、パンフレットに、デカデカと記載されています。完全に信用ならぬ相談窓口です。
事実と異なることを平然と言ってくる相談窓口の説明を受けただけで、メットライフ生命のドル建て変動終身保険など検討すらする必要は無しといえますが、いちおう、次の通り、中身をチェックしてみたいと思います。
メットライフ生命ドルスマート等の米ドル建終身保険に加入する方がお得なのか?
メットライフ生命の「積立利率変動終身保険(米国通貨建2002)<低解約返戻金特則付>」は、通称ドルスマート(http://www.metlife.co.jp/lf1/bhp400/index.html)と呼ばれるドル建て商品です。
この商品のチェックに移る前に一言。窓口の「今は教育や老後の資金も兼ねて貯めていく方が良い」との発言には、驚きを隠せません。
近い将来必要になる教育資金と、遠い将来の老後の資金をまとめ貯めるのは、目的が違いすぎて、まったくおススメできません。相当に、いい加減なアドバイスだと言わざるを得ません。
老後の資産形成は、保険でやってはいけません。例えば個人型確定拠出年金(iDeCo)のような仕組みを使うのが基本であり、コストの塊の保険を老後まで抱え込まされるなんて、・・・金融庁がこのアドバイスを聞いたら、激怒すると思いますよ。
教育資金を為替リスクにさらしてはならない
メットライフ生命のドルスマートの最大の問題は、換金時の為替リスクです。メットライフ生命は顧客が負うリスクを実に軽視している証拠だと思うのですが、パンフレットに、とても小さな字で下記のようなことが書かれています。
ふざけるな!メットライフ生命、小さすぎて、全く読めないよ! 要約すると、次のようなことがかかれています。
・保険金の受け取りはすべてUSドル建て ⇒ つまり積立利率年3%保証はドルベース
・受け取ったドルの保険金を日本円に交換する際に為替状況にはよっては損する
これを読んで、私は心底呆れました。保険の相談窓口は「積立利率は最低でも3.0%を保障してくれ、0.7%である円商品を上回っているのでこの時点でドル商品に入った方が良い」との説明ですよね。
これ、為替リスクが皆無で0.7%の元本確保型商品と、為替リスクをまともに負う3%の商品を比べるのに、あまりにも適当すぎます。というか、為替リスクのある商品に、いかにも元本保証であるかのような説明をするのは、極めて不適切です。
仮に年率3%で運用されても、為替で損すれば満足できる教育資金を十分に用意できません。下記のシミュレーションをご覧ください。30歳で契約して、仮に20年後にドル資産が約16%増えたとしても、その時点で為替が▲16%だったとしたら、損する可能性がありますよね。
(10年で解約しても7%の元本割れが発生するのは、不利な商品のような気がします。ここで上記と同様に為替でマイナス16%も損していたら、目も当てられない事になります)
「ドル変動については、米ドルは落差があまり大きくなく、今までの統計を見ても1ドル平均約107円のためあまり心配することはない」のコメントも、「何言ってんだ?」です。
下記はドル円の過去10年のチャートですが、今から5年前の2012年には1ドル80円以下にまで落ち込んでいます。相場には、「まさか」と思われる事態が、数年単位で簡単に訪れます。このような20%~30%も価格変動するドル円で、107円などと平均を出しても、何の意味もないのです。
常に、状況が悪い方向に進む事は想定しておくべきで、仮に今、1ドル110円で契約して、将来80円の時に円に交換したら、▲27%です。先ほどのように運用で+16%増えても、トータルでは教育資金が▲11%になって手元に戻ってきます。
決して減らす事が許されない教育資金を、大幅に目減りをする可能性ある金融商品で運用しようなどと考えては、いけません。「朝鮮戦争でも起きたら、どうするつもりなんですか?」と質問したら、ハッとして我に返るかもしれませんね。
参考までに、投資に詳しい管理人から補足説明しますと、今の時点で為替が円安に振れるか円高に振れるか、確率は五分五分です。プロでも予測は当たりません。
となると、将来の教育資金を積み立てて、それが「利益」になって帰ってくるのか、「損失」に泣くことになるのかは、50%ずつの確率でしかないという事です。
お子様の教育資金のように、絶対に元本割れさせてはならないものに対して、そのような「ギャンブル」をやっても良いというのならば、ドルスマートを買えば良いでしょうし、「こんなものは問題外」だと感じたら、即刻話を取りやめましょう。
・・・あ、いや、それでもドルスマートはダメだな。こんなものが老後まで継続するなんて、あまりにも不利過ぎます。(どういう点で不利過ぎるのかは、ここでは省略します)
ソニー生命の学資保険じゃなくてメットライフ生命のドルスマートを勧める本当の理由
本当ならば、これを最初に説明すればよかったのですね。実は、日本で大量に販売される保険のたぐいの、ほとんどが無意味に近いレベルのボッタクリ商品です。だからこそ、金融庁などは激怒している訳です。
数あるボッタクリ商品の中で、そうではないものもいくつかあり、その代表が学資保険です。別ページで解説した明治安田生命の「じぶんの積立」なども、良質な商品です。
ではなぜ、そのような良質な商品を紹介しないで、今回のドルスマートのような変な商品を強引に勧めてくるのでしょうか? 答えは、その方が非常に儲かるからです。そのような保険商品を売りつけると、10%を超える高額な手数料が転がり込んでくるためです。
学資保険のようなものは全く儲かりませんが、実はこのような商品はマーケティング的に、「フロントエンドの商品」と呼ばれます。要は、誰でも知っていて買いに来たくなるような商品の事で、いわば「客寄せパンダ」です。
それでおびき寄せられて来店しに来たお客に、「こちらのほうがもっとメリットがある」と屁理屈をこねて、高額な商品を売りつける算段なのです。
学資保険に入りたいという人の大半が、金融知識が皆無に近い「フィナンシャルリテラシーの無い人たち」です。その人たち全員にメットライフ生命のドルスマートを推奨したら、比較的容易に、それに切り替えて購入をするはずです。
商売的には美味しすぎますので、ドルスマートも含めて、多数の「バックエンド商品」を用意して、本当に儲かる商品を相当程度、売りつけていると思います。もしも今回の説明に納得できなかったとして、それでも強引に売りつけるならば、一言申し上げると良いでしょう。
「ソニー生命の学資保険の代わりにメットライフ生命のドルスマートというドル建て終身保険を強く推奨されたのが問題ないかどうか、金融庁に質問を送ってみるつもりだ」と。おそらく、一発で相手は沈黙するはずです・笑。
現時点では、学資保険を利用して教育資金を貯めるのがベストです
では、教育資金は何を利用して貯めるのが一番良いのかと問われたら、今のところ学資保険がベストでしょう。過去に似たような問い合わせがありましたので、下記もぜひ熟読ください。
⇒参考:定期預金か学資保険どちらが良いのか?
たとえば、比較を簡単にするためソニー生命の学資保険Ⅱ型で検証してみます。
・契約者の年齢30歳
・月の保険料 4,330円
・期間18年間
・100万円受け取り
これを定期預金で実現しようとすると、以下のようになります。
要は、定期預金の積み立てで18年間運用して100万円を受け取りたければ、金利1%の超高金利定期預金が必要だという事です。今の時点で、金利1%の定期預金など存在しません。
ということを考えれば、安全資産で教育資金を貯めるのは、学資保険がベストの選択となる訳です。こんな有利な商品は、保険会社から見たら「苦しい」の一言ですから、こんなものは売っても儲からないわけですね。
金融商品を買う時、(保険でも投資信託でもあらゆるものに共通しています)、金融機関が売ろうとしているものはほぼ全て、彼らが十分に儲かるものばかりです。彼らが売りたがらないものこそが「良い商品」ですから、今後はそうした視点も持つようにして下さい。