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日本生命の「ロングドリームGOLD」なる外貨建て終身保険は、猛烈な高コストが大問題
このページは、貯金を貯めたい人のための質問と回答のコーナーです。定期預金や投資が大好きな管理人が、皆様のお悩みを無料でご回答差し上げます。
頂いたご質問(2018年5月、YYさま、40代・女性)
2年ぐらい前に銀行の知り合いより紹介され契約しました、外貨終身保険の内容を見て頂けたらと思います。商品:『ニッセイロングドリームGOLD』。一括で100万の契約です。 ご相談に乗って頂けたらと思います。宜しくお願い致します。
回答:あまりの高いコストが、なんと予定の積み立て利率までも蝕んでいるのが実態
将来の不安を減らすために加入する保険。収入の低い人や、小さなお子様がいる家庭であれば、終身型の生命保険等に入った方が良い場合もあるでしょう。万が一の時に、残された家族を守る役割を果たす保険に、反対はしません。
しかし最近、本来の保険の役割に「資産運用の機能」を無理やり合体させて、しかも外貨建てで運用するタイプがとても人気です。これからご紹介するロングドリームGOLDも、外貨で運用するタイプの終身保険です。
ただ、外貨建て生命保険でのトラブルが、後を絶ちません。金融庁が問題視する金融商品の1つである「外貨建て保険」。今回はその典型事例的な商品でもある、ロングドリームGOLDの中身を確認して、管理人が感じた事を書きたいと思います。
⇒参考:学資保険を否定してメットライフのドルスマートを勧めてくる保険相談窓口
日本生命のロングドリームGOLDの特徴を一言で言うと、終身保険に外貨建て資産運用機能がついた超高ストな保険商品です。保険関連の回答記事で常に書いている事ですが、資産運用と将来の有事をカバーする保険は、それぞれ分けて考えないといけません。
コストの安いシンプルな金融商品があるにも関わらず、本来無関係な機能を2つごちゃ混ぜにして商品を作ると、日本生命のロングドリームGOLDのような、ボッタクリレベルで猛烈な高コストの商品が一丁上がりとなって、ファイナンシャルリテラシーの低い人を誤魔化す事ができるのです。
ロングドリームGOLD最大の特徴は、一生涯の死亡保障があることです。契約年齢範囲は15歳~85歳で、健康状態等の告知なしで契約できます。健康状態が悪い人だとしても、ロングドリームGOLDの契約ができてしまいますね。
本来、保険に加入する場合、健康状態の申告が必要だと思うのですが、ロングドリームGOLDは保険会社にとってリスクが少なく儲かる商品なので、契約者の幅を広げたいと考えているように疑ってしまいます。(考えすぎだと思いますが・・・)
ロングドリームGOLDで万一の時に受け取れる死亡保険金は、被保険者が亡くなった日における基本保険金額(一時払保険料、最初に契約して支払った金額の事)、積立金額、解約払戻金額の中で、大きい金額となります。少なくとも、基本保険金額は最低保証されます。
でも、「損しないし安心」と思うのは早計です。なぜなら、指定通貨の米ドル、ユーロ、豪ドルで最低保証されるので、為替の影響から、日本円で受け取ったら支払ったお金よりも死亡保険金が少なくなる可能性があるのです。
万が一の保険金額がきっちりと確定できないし、金融市場が動揺して相当な円高になっていれば、かなりの損失が発生します。(受け取る死亡保険金が少なくなります)
死亡保険金を当てにしていた家族が、困った状況になりかねません。万が一のお金は、安全確実に確保できる、まっとうで低コストの生命保険を使うべきではないかと思います。
ロングドリームGOLDのセールスポイントは、契約後から外貨で運用されるので、お金が増えてお得(のように見える)ということでしょうか。
しかしながら、上記のイメージ図を見て、本当にキチンと理解して契約する人は、どのくらいいるのでしょうか。普通の人だったら難解すぎて、考えるのを止めてしまうと思います。たぶん、なんとなくお得に見えて契約する人が大半だと思います。この運用面の機能について、順に解説します。
ロングドリームGOLDのまず大きな問題点は、契約時の一時払保険料から保険会社に7%もの、信じられないくらいの超高額の手数料を支払う事です。運用が始まる前から、資金が7%も減ってスタートするのですから著しく損していると言えますし、あまりにも不利なスタートすぎます。
例えば1000万円の契約だった場合、70万円の手数料をいきなり保険会社に支払う訳です。今回も質問者様は、100万円の契約で7万円を支払った事になる訳で、こういうところが「保険はボッタクリ」と申し上げる最大のポイントになります。
こんな費用は、管理人ならば全く納得しません。今時の資産運用で、7%もの手数料を取るものは、保険以外に見た事がないからです。
そもそも、これと似たような資産運用の効果を持つ商品は、一般のネット証券で投資信託を購入すれば普通に実現できます。しかも購入手数料が無料となる投資信託で、ほぼ同等の投資効果を得られるので、ロングドリームGOLDの契約時に支払う7%のコストは、あり得ないと思うのです。
資産運用のリスクは全て契約者が被るので、保険会社にはリスクがありません。保険会社はノーリスクで7%の手数料が入るので、健康状態の告知無しで広く契約者を集めたい気持ちが良く分かります。
ロングドリームGOLDのコストは、以下の2つの合計となります。
・契約終結時の費用:手数料7%
・保険期間中の費用:積立利率から控除されているので、年間コストは不明
最初の7%も大問題ですが、保険期間中に常に保険会社に支払う「保険期間中の費用」が不明なのも、大いに問題です。実際に、10年間適用される積立利率は、この年間のコストを控除した後の利率となっていますので、本来ならば、もっとリターンが良かったのかもしれませんね。
(積立利率とは、積立金(契約金に7%の手数料が引かれた後の資金)に適用する利率の事)
コストが不明ですから、本来得られるはずのリターンがどの程度なのか、契約者からは全く分からなくなってしまっています。となると、外貨建てで運用したリターンが妥当な水準なのか、調べようにも全く分からないという事になります。
現在のところ、米ドルベース、豪ドルベースの積立利率は3%弱ですので、日本円の定期預金金利のようなものが頭の中にある人にとっては、とても高水準だとは感るでしょう。以下の数値だけを見れば、管理人でも、「悪くないのかな」との錯覚に騙されそうです。
とは言っても、7%の手数料を支払った資金を3%弱の利率で運用する訳ですので、ちょっとイマイチのような気がします。これらの利率は、米ドルならアメリカの国債、豪ドルならオーストラリアの国債の利回りで決まってきます。
ネット証券では、誰でもアメリカ国債を直接購入できますので、自分自身で買い付けても良いでしょう。ただ、普通の人には敷居が高いでしょうから、アメリカやユーロなどの国債に分散投資する債券型投資信託を買う事になりますね。
日本を除く先進各国の国債に分散投資する投資信託は、今どき手数料は完全無料ですし、年間に支払う信託報酬(コスト)も、たったの0.17%で済みます。
日本生命のロングドリームGOLDが、果たして国債だけで運用されるのか、あるいは先進国株式も含めてバランス型で運用されるのかちっとも分かりませんが、仮に株式運用も含むタイプであったとしても、自力で信託報酬0.2%程度で投資できるのですから、全く比較になりません。
いずれにしても、ロングドリームGOLDのコストの高さが際立っており、いかに消費者が自分の気が付かない(というか調べないのが悪いのですが)ところでボラれているか、よく分かろうというものです。
ところで、ロングドリームGOLDの積立利率は本当にお得なのでしょうか。販売用パンフレットを見ると、米ドルや豪ドルで契約した場合の受け取り金額のシミュレーション結果が掲載されています。
例えば、豪ドル積立の1000万円の契約で、積立利率2.5%だった場合のシミュレーション結果をご覧ください。まず注目して欲しいのは、為替の影響で損をする可能性です。
1豪ドル=100円の時に契約し、10年後に解約した時が1豪ドル=80円であれば、日本円にして952万円が手元に戻ってくる計算になります。1000万円出して10年後に952万円に目減りする可能性があるという事を、認識しておく必要があります。
100円が80円になることなんて、そうそう無いのではないかと思うかもしれませんが、この程度の為替レートの変動は普通に起こります。例えば過去5年間でも、以下のように、ごく当たり前のように100円が80円になっています。というか、もっと変動していますね・・・。
上記のシミュレーションだと、「まさかそこまでは円高にならないだろう」と思うかもしれませんが、80円どころかもっと円高になる可能性も大いにあるのが為替レートですから、円高リスクは甘く見ないほうが良いでしょう。
そして、それよりも注目して欲しい事があります。仮に10年後の解約時点で為替レートが変わらない場合、受取れるお金は1190万円になります。契約時は1000万円だったので、年率で1.7%の利回りになっています。
つまり、小難しい為替の影響を無視して考えた場合、最初に7%の手数料を支払った影響で、積立利率は2.5%でなくて、実質的にたったの年率1.7%で運用されていた事になります。
これは非常に大きな問題であり、あなたが受け取る予定だった運用益の、実に3割に相当する部分が、保険会社の利益として削り取られているのと同じだという事です。
年率1.7%程度のリターンであれば、ネット証券でアメリカやユーロ園に分散投資する先進国債券ファンドを購入手数料無料で買付して10年保有すれば、ロングドリームGOLD以上の年率リターンを得る事ができます。
例えば、運用期間が10年以上の先進国債券型投資信託、SMT グローバル債券インデックス・オープンの10年間の年率リターンは、2.07%となります。ロングドリームGOLDの年率1.7%に比べて、0.3%も高いのです。 (これはあくまでも過去の実績ですが)
ほとんど似たような投資先で運用しているのにリターンが悪いのは、ロングドリームGOLDのコストが高く、生命保険会社に無駄な手数料を支払っているからという事になります。このような背景から、管理人は、生命保険と資産運用は、別々の金融商品を使うべきだと考えています。
ただ、海外債券型の投資信託を保有した場合でも、為替の影響で価格が変動するので、恐怖心が出てくる可能性もあります。ここに、 生命保険会社の付け入る隙があります。
予定利率を提示して最低限の保証をして、あとは保険に色んな機能を丸め込んで「あり得ない高コスト商品」の出来上がりとなる訳ですね。
しかし、分からないものに恐怖心を覚えるのは、正体の分からない幽霊を怖がるのと全く同じです。多くの人にとって、投資と幽霊は同一の存在になってしまっています。
もちろんそんな事はあり得なくて、10年以上の長期投資をした場合、国際分散投資を行う株式投資信託で資産運用をすれば、一時的なプラスやマイナスは頻繁に発生するものの、ほとんど確実な線で、大きく資産は増える事になります。
そういう現実を知れば、外貨建て生命保険など全く検討にすら値しない商品である事が分かるのですが、投資の勉強をしない人には何を言っても無理かもしれません。
特殊な才能などは全く必要ではなく、どなたでも普通に資産形成ができる投資のやり方については、当サイトの姉妹サイトで、当サイト管理人も実践しながらご紹介している方法がありますので、ご興味があれば、それもご覧いただければと思います。
⇒参考:インデックス投資の始め方・誰でも分かる7つのステップ
しかし最近、本来の保険の役割に「資産運用の機能」を無理やり合体させて、しかも外貨建てで運用するタイプがとても人気です。これからご紹介するロングドリームGOLDも、外貨で運用するタイプの終身保険です。
ただ、外貨建て生命保険でのトラブルが、後を絶ちません。金融庁が問題視する金融商品の1つである「外貨建て保険」。今回はその典型事例的な商品でもある、ロングドリームGOLDの中身を確認して、管理人が感じた事を書きたいと思います。
⇒参考:学資保険を否定してメットライフのドルスマートを勧めてくる保険相談窓口
ロングドリームGOLDは、損する可能性のある終身保険商品
日本生命のロングドリームGOLDの特徴を一言で言うと、終身保険に外貨建て資産運用機能がついた超高ストな保険商品です。保険関連の回答記事で常に書いている事ですが、資産運用と将来の有事をカバーする保険は、それぞれ分けて考えないといけません。
コストの安いシンプルな金融商品があるにも関わらず、本来無関係な機能を2つごちゃ混ぜにして商品を作ると、日本生命のロングドリームGOLDのような、ボッタクリレベルで猛烈な高コストの商品が一丁上がりとなって、ファイナンシャルリテラシーの低い人を誤魔化す事ができるのです。
一生涯の死亡保障となる終身保険機能、それがロングドリームGOLD本来の特徴だが・・・
ロングドリームGOLD最大の特徴は、一生涯の死亡保障があることです。契約年齢範囲は15歳~85歳で、健康状態等の告知なしで契約できます。健康状態が悪い人だとしても、ロングドリームGOLDの契約ができてしまいますね。
本来、保険に加入する場合、健康状態の申告が必要だと思うのですが、ロングドリームGOLDは保険会社にとってリスクが少なく儲かる商品なので、契約者の幅を広げたいと考えているように疑ってしまいます。(考えすぎだと思いますが・・・)
ロングドリームGOLDで万一の時に受け取れる死亡保険金は、被保険者が亡くなった日における基本保険金額(一時払保険料、最初に契約して支払った金額の事)、積立金額、解約払戻金額の中で、大きい金額となります。少なくとも、基本保険金額は最低保証されます。
でも、「損しないし安心」と思うのは早計です。なぜなら、指定通貨の米ドル、ユーロ、豪ドルで最低保証されるので、為替の影響から、日本円で受け取ったら支払ったお金よりも死亡保険金が少なくなる可能性があるのです。
万が一の保険金額がきっちりと確定できないし、金融市場が動揺して相当な円高になっていれば、かなりの損失が発生します。(受け取る死亡保険金が少なくなります)
死亡保険金を当てにしていた家族が、困った状況になりかねません。万が一のお金は、安全確実に確保できる、まっとうで低コストの生命保険を使うべきではないかと思います。
外貨建て運用の将来見通しが難しい上に、保険とセットの意味が分からない
ロングドリームGOLDのセールスポイントは、契約後から外貨で運用されるので、お金が増えてお得(のように見える)ということでしょうか。
しかしながら、上記のイメージ図を見て、本当にキチンと理解して契約する人は、どのくらいいるのでしょうか。普通の人だったら難解すぎて、考えるのを止めてしまうと思います。たぶん、なんとなくお得に見えて契約する人が大半だと思います。この運用面の機能について、順に解説します。
契約時に7%もの手数料を支払うのは、運用上とても不利
ロングドリームGOLDのまず大きな問題点は、契約時の一時払保険料から保険会社に7%もの、信じられないくらいの超高額の手数料を支払う事です。運用が始まる前から、資金が7%も減ってスタートするのですから著しく損していると言えますし、あまりにも不利なスタートすぎます。
例えば1000万円の契約だった場合、70万円の手数料をいきなり保険会社に支払う訳です。今回も質問者様は、100万円の契約で7万円を支払った事になる訳で、こういうところが「保険はボッタクリ」と申し上げる最大のポイントになります。
こんな費用は、管理人ならば全く納得しません。今時の資産運用で、7%もの手数料を取るものは、保険以外に見た事がないからです。
そもそも、これと似たような資産運用の効果を持つ商品は、一般のネット証券で投資信託を購入すれば普通に実現できます。しかも購入手数料が無料となる投資信託で、ほぼ同等の投資効果を得られるので、ロングドリームGOLDの契約時に支払う7%のコストは、あり得ないと思うのです。
資産運用のリスクは全て契約者が被るので、保険会社にはリスクがありません。保険会社はノーリスクで7%の手数料が入るので、健康状態の告知無しで広く契約者を集めたい気持ちが良く分かります。
運用期間中のコストも不明
ロングドリームGOLDのコストは、以下の2つの合計となります。
・契約終結時の費用:手数料7%
・保険期間中の費用:積立利率から控除されているので、年間コストは不明
最初の7%も大問題ですが、保険期間中に常に保険会社に支払う「保険期間中の費用」が不明なのも、大いに問題です。実際に、10年間適用される積立利率は、この年間のコストを控除した後の利率となっていますので、本来ならば、もっとリターンが良かったのかもしれませんね。
(積立利率とは、積立金(契約金に7%の手数料が引かれた後の資金)に適用する利率の事)
コストが不明ですから、本来得られるはずのリターンがどの程度なのか、契約者からは全く分からなくなってしまっています。となると、外貨建てで運用したリターンが妥当な水準なのか、調べようにも全く分からないという事になります。
現在のところ、米ドルベース、豪ドルベースの積立利率は3%弱ですので、日本円の定期預金金利のようなものが頭の中にある人にとっては、とても高水準だとは感るでしょう。以下の数値だけを見れば、管理人でも、「悪くないのかな」との錯覚に騙されそうです。
とは言っても、7%の手数料を支払った資金を3%弱の利率で運用する訳ですので、ちょっとイマイチのような気がします。これらの利率は、米ドルならアメリカの国債、豪ドルならオーストラリアの国債の利回りで決まってきます。
ネット証券では、誰でもアメリカ国債を直接購入できますので、自分自身で買い付けても良いでしょう。ただ、普通の人には敷居が高いでしょうから、アメリカやユーロなどの国債に分散投資する債券型投資信託を買う事になりますね。
日本を除く先進各国の国債に分散投資する投資信託は、今どき手数料は完全無料ですし、年間に支払う信託報酬(コスト)も、たったの0.17%で済みます。
日本生命のロングドリームGOLDが、果たして国債だけで運用されるのか、あるいは先進国株式も含めてバランス型で運用されるのかちっとも分かりませんが、仮に株式運用も含むタイプであったとしても、自力で信託報酬0.2%程度で投資できるのですから、全く比較になりません。
いずれにしても、ロングドリームGOLDのコストの高さが際立っており、いかに消費者が自分の気が付かない(というか調べないのが悪いのですが)ところでボラれているか、よく分かろうというものです。
真の運用利回りは、コストのせいで見掛けよりも大幅に低かったことが判明!
ところで、ロングドリームGOLDの積立利率は本当にお得なのでしょうか。販売用パンフレットを見ると、米ドルや豪ドルで契約した場合の受け取り金額のシミュレーション結果が掲載されています。
例えば、豪ドル積立の1000万円の契約で、積立利率2.5%だった場合のシミュレーション結果をご覧ください。まず注目して欲しいのは、為替の影響で損をする可能性です。
1豪ドル=100円の時に契約し、10年後に解約した時が1豪ドル=80円であれば、日本円にして952万円が手元に戻ってくる計算になります。1000万円出して10年後に952万円に目減りする可能性があるという事を、認識しておく必要があります。
100円が80円になることなんて、そうそう無いのではないかと思うかもしれませんが、この程度の為替レートの変動は普通に起こります。例えば過去5年間でも、以下のように、ごく当たり前のように100円が80円になっています。というか、もっと変動していますね・・・。
上記のシミュレーションだと、「まさかそこまでは円高にならないだろう」と思うかもしれませんが、80円どころかもっと円高になる可能性も大いにあるのが為替レートですから、円高リスクは甘く見ないほうが良いでしょう。
そして、それよりも注目して欲しい事があります。仮に10年後の解約時点で為替レートが変わらない場合、受取れるお金は1190万円になります。契約時は1000万円だったので、年率で1.7%の利回りになっています。
つまり、小難しい為替の影響を無視して考えた場合、最初に7%の手数料を支払った影響で、積立利率は2.5%でなくて、実質的にたったの年率1.7%で運用されていた事になります。
これは非常に大きな問題であり、あなたが受け取る予定だった運用益の、実に3割に相当する部分が、保険会社の利益として削り取られているのと同じだという事です。
年率1.7%程度のリターンであれば、ネット証券でアメリカやユーロ園に分散投資する先進国債券ファンドを購入手数料無料で買付して10年保有すれば、ロングドリームGOLD以上の年率リターンを得る事ができます。
例えば、運用期間が10年以上の先進国債券型投資信託、SMT グローバル債券インデックス・オープンの10年間の年率リターンは、2.07%となります。ロングドリームGOLDの年率1.7%に比べて、0.3%も高いのです。 (これはあくまでも過去の実績ですが)
ほとんど似たような投資先で運用しているのにリターンが悪いのは、ロングドリームGOLDのコストが高く、生命保険会社に無駄な手数料を支払っているからという事になります。このような背景から、管理人は、生命保険と資産運用は、別々の金融商品を使うべきだと考えています。
投資が怖いという気持ちが、生命保険会社の付け入る隙
ただ、海外債券型の投資信託を保有した場合でも、為替の影響で価格が変動するので、恐怖心が出てくる可能性もあります。ここに、 生命保険会社の付け入る隙があります。
予定利率を提示して最低限の保証をして、あとは保険に色んな機能を丸め込んで「あり得ない高コスト商品」の出来上がりとなる訳ですね。
しかし、分からないものに恐怖心を覚えるのは、正体の分からない幽霊を怖がるのと全く同じです。多くの人にとって、投資と幽霊は同一の存在になってしまっています。
もちろんそんな事はあり得なくて、10年以上の長期投資をした場合、国際分散投資を行う株式投資信託で資産運用をすれば、一時的なプラスやマイナスは頻繁に発生するものの、ほとんど確実な線で、大きく資産は増える事になります。
そういう現実を知れば、外貨建て生命保険など全く検討にすら値しない商品である事が分かるのですが、投資の勉強をしない人には何を言っても無理かもしれません。
特殊な才能などは全く必要ではなく、どなたでも普通に資産形成ができる投資のやり方については、当サイトの姉妹サイトで、当サイト管理人も実践しながらご紹介している方法がありますので、ご興味があれば、それもご覧いただければと思います。
⇒参考:インデックス投資の始め方・誰でも分かる7つのステップ