このページがお役に立てましたなら、ぜひシェアをして頂けますと嬉しいです!
使い道の決まっていない1000万円、ニッセイの保険かMUFGファンドラップを勧められる
このページは、貯金を貯めたい人のための質問と回答のコーナーです。定期預金や投資が大好きな管理人が、皆様のお悩みを無料でご回答差し上げます。
頂いたご質問(2019年7月、MKさま、60代・女性)
当分使い道が決まっていない資金が1000万ほどあります。
先日銀行でニッセイロングドリームGOLD3という商品を勧められました。米ドル建てで積み立て利率1.97%、10年以内に解約すると解約金がかかりますが、国内の定期預金に比べれば格段に良いので、正直、気持ちが動きました。それより少し前には、MUFGファンドラップも勧められました。どちらが良いかご意見聞かせてください。
先日銀行でニッセイロングドリームGOLD3という商品を勧められました。米ドル建てで積み立て利率1.97%、10年以内に解約すると解約金がかかりますが、国内の定期預金に比べれば格段に良いので、正直、気持ちが動きました。それより少し前には、MUFGファンドラップも勧められました。どちらが良いかご意見聞かせてください。
回答:銀行の推奨するリスク商品でなくて、元本が保証される高金利の定期預金がおススメ
MK様、当サイトへのご相談ありがとうございます。使い道の決まっていない1000万円の運用先に悩むお気持ちはよく分かります。少しでも増やして、今後の生活の足しにしたいものです。
では、銀行から推奨されたニッセイロングドリームGOLD3とMUFGファンドラップどちらが良いのか検討しましたので、本ページを参考にしてみてください。
まずは、銀行から推奨されたMUFGファンドラップについてです。MK様は年齢的に、リスクを取るのは一般的には適切ではないですから、銀行員から勧められたのは低リスクのポートフォリオだと想定しています。
そして、銀行の勧めてくるラップ口座などは、別に個々人に最適化したポートフォリオなど作れる訳も無く、単にパッケージとして数種類のポートフォリオが存在して、そのうちの1番か2番目にリスクの低い、安全資産の国内債券比率の高い「コース」を説明するだけです。
だったらそんなものは市販のバランス型投資信託と全く同一ですから、例えば三井住友・DC年金バランス30(債券重点型)(愛称:マイパッケージ)と同等のパフォーマンス、リスクのあるものと考えて、比較検討を進めます。
本当はMUFGファンドラップの商品内容をチェックしたいのですが、不届きな事に三菱UFJ銀行側がオープンにしていませんので(大した商品でないくせに)、上記のファンドという事で話しを進めます。
三井住友・DC年金バランス30(債券重点型)(マイパッケージ30)は、株式が30%、国内債券が55%、外国債券が10%、短期金融資産が5%のポートフォリオです。価格変動が極めてマイルドな安全資産の債券の割合が非常に高く、典型的な低リスクポートフォリオです。
MUFGファンドラップでリスクを下げた運用となった場合も、三井住友・DC年金バランス30(債券重点型)に近い構成になるはずです。このファンドの10年(年率)リターンは、4.42%です。
MUFGファンドラップでは、コストが高い分、リターンが低下すると思いますが、MUFGファンドラップの運用リターンが年率4.42%だったと仮定して話を進めましょう。 (実際には年間に手数料が1%~2%程度取られますので、年率リターンはその分、減る事になります。)
さて、三井住友・DC年金バランス30は、金融危機などの有事の際には、為替のリスクや株式のリスクのために、大幅に値を下げます。以下の過去14年のチャートをご覧下さい。
(リスクという言葉は、金融の世界では不確実性という意味です。お金の事を知らない人は、「danger」という意味で使うようですが、間違わないでください。リスクがあるという事は、リターンが発生した場合にはそれも大きくなります。低リスク=リターンもマイルドです。)
リーマンショック前後の2008年前後では、高値の11000円から9000円まで急落しています。その暴落度合いは▲18.1%です。対して、同じ時期の米ドル為替は、123円から87.8円まで急激な円高になりました。この時の下落率は▲28.6%です。
以上より、三井住友・DC年金バランス30(MUFGファンドラップと同等と想定)を年率4.42%で10年運用して、最後の年に▲18.1%の暴落になった場合と、ニッセイロングドリームGOLD3の運用利率(積立利率)の1.97%で10年運用して、為替が▲28.6%暴落した場合で、それぞれどういう結果になるのか、比較してみましょう。シミュレーションした結果が以下となります。
ファンドラップは、為替リスクが無くて元々価格が超安定している国内債券比率が高いので、価格の下落がニッセイロングドリームGOLD3よりも大幅に抑えられています。平常時には株式部分でリターンを上げているために、暴落が起きても損益が262万円のプラスのままです。
一方、ニッセイロングドリームGOLD3の損益はマイナス132万円となってしまいます。 以上の結果より、有事を想定した場合、為替リスクを100%受けることになるニッセイロングドリームGOLD3よりも、三井住友・DC年金バランス30(MUFGファンドラップと同等と想定)が良いとの結論になります。 (と言いますか、暴落など無くても、三井住友・DC年金バランス30の方が良い結果です)
ただし、これだといかにも投資信託の三井住友・DC年金バランス30が優秀だと言う印象を与えてしまいます。しかしこれは、2012年以降、アベノミクスの大相場があって、株価が大幅に上昇して、為替が円安方向に動いた事が影響しています。
過去10年間のリターンが良かったからと言って、大相場後の株価の高値圏に三井住友・DC年金バランス30を買い付ける事が本当に正しい選択なのかどうか、非常に判断に迷うところです。
したがって、もしも失っても(減っても)良いお金なのであれば、低リスクのバランスファンドにお金を投じても良いかもしれませんが、人生が後半戦に入って、下落した株価が再び上昇するまでの「残り時間」が少ない人は、下手な投資は避けたほうが良いのではないかというのが当サイト管理人の見解になります。
MUFGファンドラップでは、コストが高すぎてリターンを大きく削りますから、低リスクでも全くお勧めは出来ません。買うのであれば、ノーロード(買い付け手数料無料)で信託報酬の極めて低い投資信託を使うのが良いのではないでしょうか。
とは言え、今まで投資をやった事が無い人がいきなり投資信託を購入するのは、全く賛成できません。試しに30万円ほど買って、値動きに耐えられるかどうかを1年以上確認して頂いて、その間に投資の勉強をする事も必要です。
当サイトの質問コーナーで何度も申し上げておりますが、貯金は不勉強でも損をする事はありませんが、投資で勉強しない人は、必ず損して退場する事になります。人任せのMUFGファンドラップで儲けられるのであれば、世の中、誰も苦労しないのです。
基本的には元本保証の商品をメインにする事が、最善の判断になるかと思います。これについては、以前の質問である1000万円の退職金から安全にお金を増やしたいのページをご覧下さい。どのような定期預金などを利用したら良いのか、参考になると思います。
では、銀行から推奨されたニッセイロングドリームGOLD3とMUFGファンドラップどちらが良いのか検討しましたので、本ページを参考にしてみてください。
金融危機が生じた場合であれば、MUFGファンドラップのほうが有利
まずは、銀行から推奨されたMUFGファンドラップについてです。MK様は年齢的に、リスクを取るのは一般的には適切ではないですから、銀行員から勧められたのは低リスクのポートフォリオだと想定しています。
そして、銀行の勧めてくるラップ口座などは、別に個々人に最適化したポートフォリオなど作れる訳も無く、単にパッケージとして数種類のポートフォリオが存在して、そのうちの1番か2番目にリスクの低い、安全資産の国内債券比率の高い「コース」を説明するだけです。
だったらそんなものは市販のバランス型投資信託と全く同一ですから、例えば三井住友・DC年金バランス30(債券重点型)(愛称:マイパッケージ)と同等のパフォーマンス、リスクのあるものと考えて、比較検討を進めます。
本当はMUFGファンドラップの商品内容をチェックしたいのですが、不届きな事に三菱UFJ銀行側がオープンにしていませんので(大した商品でないくせに)、上記のファンドという事で話しを進めます。
三井住友・DC年金バランス30(債券重点型)(マイパッケージ30)は、株式が30%、国内債券が55%、外国債券が10%、短期金融資産が5%のポートフォリオです。価格変動が極めてマイルドな安全資産の債券の割合が非常に高く、典型的な低リスクポートフォリオです。
MUFGファンドラップでリスクを下げた運用となった場合も、三井住友・DC年金バランス30(債券重点型)に近い構成になるはずです。このファンドの10年(年率)リターンは、4.42%です。
MUFGファンドラップでは、コストが高い分、リターンが低下すると思いますが、MUFGファンドラップの運用リターンが年率4.42%だったと仮定して話を進めましょう。 (実際には年間に手数料が1%~2%程度取られますので、年率リターンはその分、減る事になります。)
さて、三井住友・DC年金バランス30は、金融危機などの有事の際には、為替のリスクや株式のリスクのために、大幅に値を下げます。以下の過去14年のチャートをご覧下さい。
(リスクという言葉は、金融の世界では不確実性という意味です。お金の事を知らない人は、「danger」という意味で使うようですが、間違わないでください。リスクがあるという事は、リターンが発生した場合にはそれも大きくなります。低リスク=リターンもマイルドです。)
リーマンショック前後の2008年前後では、高値の11000円から9000円まで急落しています。その暴落度合いは▲18.1%です。対して、同じ時期の米ドル為替は、123円から87.8円まで急激な円高になりました。この時の下落率は▲28.6%です。
以上より、三井住友・DC年金バランス30(MUFGファンドラップと同等と想定)を年率4.42%で10年運用して、最後の年に▲18.1%の暴落になった場合と、ニッセイロングドリームGOLD3の運用利率(積立利率)の1.97%で10年運用して、為替が▲28.6%暴落した場合で、それぞれどういう結果になるのか、比較してみましょう。シミュレーションした結果が以下となります。
ファンドラップは、為替リスクが無くて元々価格が超安定している国内債券比率が高いので、価格の下落がニッセイロングドリームGOLD3よりも大幅に抑えられています。平常時には株式部分でリターンを上げているために、暴落が起きても損益が262万円のプラスのままです。
一方、ニッセイロングドリームGOLD3の損益はマイナス132万円となってしまいます。 以上の結果より、有事を想定した場合、為替リスクを100%受けることになるニッセイロングドリームGOLD3よりも、三井住友・DC年金バランス30(MUFGファンドラップと同等と想定)が良いとの結論になります。 (と言いますか、暴落など無くても、三井住友・DC年金バランス30の方が良い結果です)
ただし、これだといかにも投資信託の三井住友・DC年金バランス30が優秀だと言う印象を与えてしまいます。しかしこれは、2012年以降、アベノミクスの大相場があって、株価が大幅に上昇して、為替が円安方向に動いた事が影響しています。
過去10年間のリターンが良かったからと言って、大相場後の株価の高値圏に三井住友・DC年金バランス30を買い付ける事が本当に正しい選択なのかどうか、非常に判断に迷うところです。
したがって、もしも失っても(減っても)良いお金なのであれば、低リスクのバランスファンドにお金を投じても良いかもしれませんが、人生が後半戦に入って、下落した株価が再び上昇するまでの「残り時間」が少ない人は、下手な投資は避けたほうが良いのではないかというのが当サイト管理人の見解になります。
MUFGファンドラップでは、コストが高すぎてリターンを大きく削りますから、低リスクでも全くお勧めは出来ません。買うのであれば、ノーロード(買い付け手数料無料)で信託報酬の極めて低い投資信託を使うのが良いのではないでしょうか。
とは言え、今まで投資をやった事が無い人がいきなり投資信託を購入するのは、全く賛成できません。試しに30万円ほど買って、値動きに耐えられるかどうかを1年以上確認して頂いて、その間に投資の勉強をする事も必要です。
当サイトの質問コーナーで何度も申し上げておりますが、貯金は不勉強でも損をする事はありませんが、投資で勉強しない人は、必ず損して退場する事になります。人任せのMUFGファンドラップで儲けられるのであれば、世の中、誰も苦労しないのです。
基本的には元本保証の商品をメインにする事が、最善の判断になるかと思います。これについては、以前の質問である1000万円の退職金から安全にお金を増やしたいのページをご覧下さい。どのような定期預金などを利用したら良いのか、参考になると思います。