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相続として受け継いだ2000万円の預け入れ先をどうすれば良いのか?
このページは、貯金を貯めたい人のための質問と回答のコーナーです。定期預金や投資が大好きな管理人が、皆様のお悩みを無料でご回答差し上げます。
頂いたご質問(2019年7月、レモンばーべなさま、50代・女性)
愛知県在住の者です。2000万円を一旦、三井住友信託銀行に預けたが解約。現在どの定期預金に預けるかで悩んでいます。5月に母が亡くなり、2000万円ほどの遺産が入ってきました。現在、三井住友信託銀行の普通預金に入れてあります。
三井住友信託銀行の相続の方限定プランというものがあり(3ヶ月0.6%、1年0.25%)3ヶ月0.6%に2、000万円預けて、満期後は冬のキャンペーンで考えようとしていたのですが、お店のかたに1年0.25%のほうがお得ですよと言われたためその通りにしてしまったのですが、どうも腑に落ちず預けた翌日に解約してしまいました。
これは、やはりお店の方の言う通り1年0.25%はお得だったのでしょうか?
こちらのHPを拝見させたいただき、
・住信SBIネット銀行の3ヶ月0.5%に2000万円
・満期後は、auじぶん銀行3ヶ月0.5%に2000万円
と考えています。定期預金が初めてなのでとても不安です。どうかご指導くださいますようよろしくお願いします。
三井住友信託銀行の相続の方限定プランというものがあり(3ヶ月0.6%、1年0.25%)3ヶ月0.6%に2、000万円預けて、満期後は冬のキャンペーンで考えようとしていたのですが、お店のかたに1年0.25%のほうがお得ですよと言われたためその通りにしてしまったのですが、どうも腑に落ちず預けた翌日に解約してしまいました。
これは、やはりお店の方の言う通り1年0.25%はお得だったのでしょうか?
こちらのHPを拝見させたいただき、
・住信SBIネット銀行の3ヶ月0.5%に2000万円
・満期後は、auじぶん銀行3ヶ月0.5%に2000万円
と考えています。定期預金が初めてなのでとても不安です。どうかご指導くださいますようよろしくお願いします。
回答:常に金利の高い銀行を利用すれば、受け取る利息を大きくできる
レモンばーべな様、当サイトへの定期預金に関するご質問、ありがとうございます。最近は、全国の銀行で瞬間風速的に高金利になるだけの定期預金キャンペーンが開催されることが多くなりました。
しかし、本当に利息面でお得なのか判断が難しく、具体的に計算してみないと分からないことが多いです。今回は、レモンばーべな様が疑問に思う、キャンペーンの条件ごとに具体的な利息のシミュレーションを実施して、本当にお得な定期預金の条件を提示したいと思います。
まずは、三井住友信託銀行の「相続の方限定プラン」3ヶ月物の定期預金の金利0.6%と、同じく1年物の定期預金の金利0.25%について比較してみましょう。2000万円が対象です。3か月物の定期預金では、満期後に店頭金利の0.01%で継続して預け入れしたと仮定しています。
●1年間で受け取れる利息(カッコ内は税抜きの受取金額です)
結果は、「1年物の金利0.25%」のほうが、約2万円ほど多くの利息を受け取れます。三井住友信託銀行の行員の言う通りとなります。
ただし、レモンばーべな様の考えている「3ヶ月物の定期預金の金利0.6%に2000万円を預けて、満期後は冬のキャンペーン」の条件であれば、状況が変わります。分かりにくいので、表を付けます。以下のような条件でキャンペーンが繰り返されると仮定した場合です。
この場合の結果は、以下の通りです。冬のキャンペーンの時期に、「相続の方限定プラン3ヶ月物の定期預金の金利0.6%」と同等のものがあれば、トータルではレモンばーべな様の考えの通り、預け替えが有利な結果となっています。
●1年間で受け取れる利息(カッコ内は税抜きの受取金額です)
ところが、冬のキャンペーンの金利が思わしくなく、3か月物の定期預金の金利が仮に0.38%程度だった場合は、最初から相続の方限定プラン「1年物の定期預金の金利0.25%」に預け入れ続けた結果と変わりません。
●1年間で受け取れる利息(カッコ内は税抜きの受取金額です)
確かに、金利の高い定期預金を上手に組み合わせれば、受け取る利息を最大化することはできます。しかし、未来の定期預金キャンペーンの金利を予測する事は、難しいと思います。
であれば、2000万円もある訳ですから、1000万円を0.25%の1年物で預け入れて、もう1000万円を「冬のキャンペーン期待」で預け入れても良いのではないでしょうか。定期預金を分散させることで、全額を低い金利で固定してしまうリスクを避けられます。
さて、レモンばーべな様は、住信SBIネット銀行の3ヶ月物の定期預金(金利0.5%)に預け入れ、満期後は、auじぶん銀行の3ヶ月物の定期預金(金利0.5%)に預け替えると考えているとの事でした。
ここで、ふと疑問が湧いてきました。もしかしたら、単純に金利が0.5%という高そうに見える数字に目が行っているだけなのではないかと。
3ヵ月で0.5%という事は、1年に均すと0.125%程度の1年物の定期預金にしかなりません。レモンばーべな様は、このあたりの理解が不足しているのかもしれません。
3ヵ月満期で0.5%のキャンペーン金利を提示している銀行は数行ありますが、3ヵ月ごとにいちいち金融機関を乗り換えるのは、極めて面倒な作業になります。
有人の窓口であれば、大金の移動に「待った」がかかるはずですし、ネット銀行ならば限度額に引っかかって、数日に分けて分割して振り込む事になります。しかも、その都度振込手数料がかかるので、貰った金利の相当程度が手数料で消える事になります。
そういった事を考えると、順次、300万円~500万円程度に資金を分割していって、金利の高い金融機関を複数行使って、「ベストではなくてベターな状態」を維持してゆく事が最も現実的だろうと考えます。
2019年7月時点の、愛知県でキャンペーン金利を提示している主要な金融機関の金利表を、以下の通り掲載します。近くにいずれかの銀行等の窓口があれば、それらで1年物、3年物、5年物に適度に資金を分割して預け入れると良いでしょう。
また、並行して、ネット上で預け入れが可能な、常時金利が高い銀行も検討すべきです。2017年7月時点では、以下の各行が極めて有利です。
上記の中では、オリックス銀行の5年物で0.35%が極めて有利ですし、普通預金なのに常時0.2%もの高金利となるあおぞら銀行も口座開設必須かもしれません。100万円までなら、SBJ銀行の2年物0.4%の金利を利用するのも手です。
複数の銀行の比較的長めの預入期間の定期預金を活用して、そして満期が来たものがあれば、その都度、高金利の銀行に預け替えてゆく。高金利定期預金の乗り換え戦略が非常に有効だと思います。
最後に注意点を。銀行側から見ると、定期預金でお金を置いておかれても、コストがかかるだけで全く儲かりません。そのため、不必要な保険商品や、投資信託、外貨預金などの、超高コスト商品に御客を誘導しようとします。
定期預金さえも不安に感じる人が、そのような複雑な商品を買うのは、絶対にNGです。仮に何となく魅力的だなと感じても、貯金以外は全て「投資」であり、投資はしっかりと勉強した人以外はボッタクられる運命にありますので、この点は十二分に注意して下さい。
その意味から、店頭であれこれと銀行員から話を持ち掛けられるような環境ではなく、インターネットで定期預金に預け入れ可能な場所にお金を置いておく方が安心と言えます。
この度は、とてもご丁寧に回答くださり ありがとうございました?m(_ _)m
色々おっしゃる通りで金利の高さだけで判断していました。早速、回答いただいた事を参考にして練り直します。
素晴らしいブログに出会えた事に 感謝の気持ちでいっぱいです。
本当にありがとうございました?m(_ _)m
しかし、本当に利息面でお得なのか判断が難しく、具体的に計算してみないと分からないことが多いです。今回は、レモンばーべな様が疑問に思う、キャンペーンの条件ごとに具体的な利息のシミュレーションを実施して、本当にお得な定期預金の条件を提示したいと思います。
満期後に高金利なキャンペーンが利用できるなら、乗り換えにメリットあり
まずは、三井住友信託銀行の「相続の方限定プラン」3ヶ月物の定期預金の金利0.6%と、同じく1年物の定期預金の金利0.25%について比較してみましょう。2000万円が対象です。3か月物の定期預金では、満期後に店頭金利の0.01%で継続して預け入れしたと仮定しています。
●1年間で受け取れる利息(カッコ内は税抜きの受取金額です)
プラン | 三井住友信託銀行相続の方限定プラン | |
---|---|---|
金利 | 3か月:0.6%、3か月目以降:0.01% | 0.25% |
2000万円 | 31502円(25103円) | 50000円(39843円) |
結果は、「1年物の金利0.25%」のほうが、約2万円ほど多くの利息を受け取れます。三井住友信託銀行の行員の言う通りとなります。
ただし、レモンばーべな様の考えている「3ヶ月物の定期預金の金利0.6%に2000万円を預けて、満期後は冬のキャンペーン」の条件であれば、状況が変わります。分かりにくいので、表を付けます。以下のような条件でキャンペーンが繰り返されると仮定した場合です。
年月 | 金利 | キャンペーン |
---|---|---|
3ヶ月目 | 0.6% | 3ヵ月金利キャンペーン |
6ヶ月目 | 0.01% | 店頭金利 |
9ヶ月目 | 0.6% | 3ヵ月金利キャンペーン |
1年目 | 0.01% | 店頭金利 |
この場合の結果は、以下の通りです。冬のキャンペーンの時期に、「相続の方限定プラン3ヶ月物の定期預金の金利0.6%」と同等のものがあれば、トータルではレモンばーべな様の考えの通り、預け替えが有利な結果となっています。
●1年間で受け取れる利息(カッコ内は税抜きの受取金額です)
プラン | 三井住友信託銀行相続の方限定プラン | |
---|---|---|
金利 | 合計6か月:0.6%、それ以外:0.01% | 0.25% |
2000万円 | 61048円(48646円) | 50000円(39843円) |
ところが、冬のキャンペーンの金利が思わしくなく、3か月物の定期預金の金利が仮に0.38%程度だった場合は、最初から相続の方限定プラン「1年物の定期預金の金利0.25%」に預け入れ続けた結果と変わりません。
●1年間で受け取れる利息(カッコ内は税抜きの受取金額です)
プラン | 三井住友信託銀行相続の方限定プラン | |
---|---|---|
金利 | 3か月の金利:0.6%、冬のキャンペーン3か月の金利:0.38%、それ以外の金利:0.01% | 0.25% |
2000万円 | 50031円(39867円) | 50000円(39843円) |
確かに、金利の高い定期預金を上手に組み合わせれば、受け取る利息を最大化することはできます。しかし、未来の定期預金キャンペーンの金利を予測する事は、難しいと思います。
であれば、2000万円もある訳ですから、1000万円を0.25%の1年物で預け入れて、もう1000万円を「冬のキャンペーン期待」で預け入れても良いのではないでしょうか。定期預金を分散させることで、全額を低い金利で固定してしまうリスクを避けられます。
高金利の銀行を複数利用して、金利と満期を分散させる戦略が有効
さて、レモンばーべな様は、住信SBIネット銀行の3ヶ月物の定期預金(金利0.5%)に預け入れ、満期後は、auじぶん銀行の3ヶ月物の定期預金(金利0.5%)に預け替えると考えているとの事でした。
ここで、ふと疑問が湧いてきました。もしかしたら、単純に金利が0.5%という高そうに見える数字に目が行っているだけなのではないかと。
3ヵ月で0.5%という事は、1年に均すと0.125%程度の1年物の定期預金にしかなりません。レモンばーべな様は、このあたりの理解が不足しているのかもしれません。
3ヵ月満期で0.5%のキャンペーン金利を提示している銀行は数行ありますが、3ヵ月ごとにいちいち金融機関を乗り換えるのは、極めて面倒な作業になります。
有人の窓口であれば、大金の移動に「待った」がかかるはずですし、ネット銀行ならば限度額に引っかかって、数日に分けて分割して振り込む事になります。しかも、その都度振込手数料がかかるので、貰った金利の相当程度が手数料で消える事になります。
そういった事を考えると、順次、300万円~500万円程度に資金を分割していって、金利の高い金融機関を複数行使って、「ベストではなくてベターな状態」を維持してゆく事が最も現実的だろうと考えます。
2019年7月時点の、愛知県でキャンペーン金利を提示している主要な金融機関の金利表を、以下の通り掲載します。近くにいずれかの銀行等の窓口があれば、それらで1年物、3年物、5年物に適度に資金を分割して預け入れると良いでしょう。
金融機関 | 半年 | 1年 | 3年 | 5年 |
---|---|---|---|---|
中京銀行なごやめし支店 |
0.085% | 0.085% (100万以下0.135%) |
0.085% | 0.085% |
愛知信用金庫 |
0.01% | 0.01% | 0.2% | 0.25% |
豊田信用金庫インターネット支店 |
0.3% | 0.3% | 0.125% | 0.1% |
岡崎信用金庫インターネット支店 |
0.1% (1か月) |
0.3% | 0.06% | 0.06% |
豊橋信用金庫インターネット支店 |
0.11% | 0.2% | 0.11% | 0.085% |
信用組合愛知商銀 |
不明 | 0.25% | 0.65% | 不明 |
また、並行して、ネット上で預け入れが可能な、常時金利が高い銀行も検討すべきです。2017年7月時点では、以下の各行が極めて有利です。
銀行名 | 半年 | 1年 | 3年 | 5年 |
---|---|---|---|---|
住信SBIネット銀行 |
0.3% (3ヵ月) |
0.2% | 0.02% | 0.02% |
ソニー銀行 |
0.15% | 0.15% | 0.02% | 0.02% |
SBJ銀行 (上段は100万まで、 下段は100万円超) |
0.1% (1週間) |
0.35% | 0.4% (2年) |
0.25% |
0.1% (1週間) |
0.2% (2年) |
0.35% | 0.25% | |
あおぞら銀行 |
0.2% | 0.25% | 0.2% | 0.2% |
1年物が定期預金、他は普通預金の金利です。 | ||||
auじぶん銀行 |
0.03% | 0.15% | 0.03% | 0.03% |
オリックス銀行 | 0.15% | 0.20% | 0.30% | 0.35% |
100万円からの預け入れになります。キャンペーンマークを付けていないのは、この金利がその時点での通常金利だからです。凄い。 |
上記の中では、オリックス銀行の5年物で0.35%が極めて有利ですし、普通預金なのに常時0.2%もの高金利となるあおぞら銀行も口座開設必須かもしれません。100万円までなら、SBJ銀行の2年物0.4%の金利を利用するのも手です。
複数の銀行の比較的長めの預入期間の定期預金を活用して、そして満期が来たものがあれば、その都度、高金利の銀行に預け替えてゆく。高金利定期預金の乗り換え戦略が非常に有効だと思います。
最後に注意点を。銀行側から見ると、定期預金でお金を置いておかれても、コストがかかるだけで全く儲かりません。そのため、不必要な保険商品や、投資信託、外貨預金などの、超高コスト商品に御客を誘導しようとします。
定期預金さえも不安に感じる人が、そのような複雑な商品を買うのは、絶対にNGです。仮に何となく魅力的だなと感じても、貯金以外は全て「投資」であり、投資はしっかりと勉強した人以外はボッタクられる運命にありますので、この点は十二分に注意して下さい。
その意味から、店頭であれこれと銀行員から話を持ち掛けられるような環境ではなく、インターネットで定期預金に預け入れ可能な場所にお金を置いておく方が安心と言えます。
追記:質問者様からお返事を頂きました(^^♪
この度は、とてもご丁寧に回答くださり ありがとうございました?m(_ _)m
色々おっしゃる通りで金利の高さだけで判断していました。早速、回答いただいた事を参考にして練り直します。
素晴らしいブログに出会えた事に 感謝の気持ちでいっぱいです。
本当にありがとうございました?m(_ _)m